本人体験記 ④
T.T
『節酒、禁酒から断酒へ』
会員

 2017年8月に成増厚生病院に3ヶ月入院し、断酒して1年が経ちました。

 飲み始めは大学入学後から。
 高校時代、友人と遊ぶこともなければ部活動もしていなかったため毎日定時での帰宅。
 大学に入ったら、たくさんの友人を作り遊びたい、そんな気持ちでの進学でした。
 元々、気が小さい性格で人見知りをする性格の自分。
 そんな私にとってアルコールは最高のコミュニケーションツールでした。
 アルコールによって初対面でも話せ、毎日飲み会に参加するようになりました。

 大学入学から1~2年経過すると、一人で飲んだり、昼間から飲むようになり、それからは転落の一途で大学中退、その後、仕事を始めるも酒による無断欠勤で職を転々とし月日が流れて行きました。

 

 そんな中、入院前まで勤めていた会社に入社した直後のことです。
 このままじゃマズイと思ったのと、信頼できると思えた上司がいたため欠勤はアルコールによるものだと本当のことを打ち明けました。
 その上司は親身に相談に乗ってくれ、アルコール専門外来に行くことになりました。
 診断結果はアルコール依存症。今から約8年前のことです。

 それからは通院&抗酒剤で断酒を試みるも半年から1年弱でスリップの繰り返し。
 断酒だけが回復の道と分かってはいたものの、あきらめきれませんでした。

 そして2017年3月に転倒による脳挫傷、仕事では降格からクビになり同年8月に成増厚生病院に入院しました。

 今になってスリップした時のことを思い返すと、最初から止める気はなく節酒や禁酒をしようとしていたんだと思います。
 また、当時は自助会には1回も参加したことがありませんでした。
 人間とは不思議なもので、月日が経つと悪い記憶は忘れ去るものだと言われますが、アルコール依存症の人は飲んでいた時の快楽が忘れられず再飲酒に走ってしまうのだと思いました。
 そんな時に例会に参加していると、例会出席のたびに酒害体験を話し聴くことによって、しっかりと記憶に残していけます。

 

 今回は禁酒ではなく、酒はもう諦めて断酒しようと思うことが出来ました。
 入院や脳挫傷というキッカケもありましたが、一番はアルコール問題の相談にのってくれた上司がいる会社をクビになったことです。
 本当に大好きな職場でしたので、これが所謂、底つきだと思います。

 これからの人生は同じ過ちを繰り返さないよう1杯の酒に手を出さないよう例会出席を継続していきます。
 

(この文章は『こぶし』平成30年8月号に掲載されました)

©️ AZUMA, Hideo  2013

©️ NPO法人 練馬断酒会