家族体験記 ④
M.K.
『共に歩む』
会員

 主人が東京断酒新生会に入会して30年。先日、本部例会で30段のお免状を頂いてきました。壇上での主人の言葉に胸熱くなるものが…。


 主人が断酒会に入会するキッカケになったのは、家族で「ぶどう狩り」に行く途中、運転中に「てんかん」を起こした事でした。当時の主人のお酒の飲み方が「おかしな飲み方をしているな!」と思っていても、それが異常な飲み方だとは思いませんでした。が、「てんかん」を起こした頃から彼の行動は私を不安にする行為が続き、この人の飲み方は「おかしい」と強く感じるようになっていきました。そんな主人の異変に気付いてくれたのが、主人の叔母でした。叔母の協力も有り、何とか練馬断酒会に入会することができました。そこで「てんかん」が「アルコール性のてんかん」であった事を初めて知り、驚きました。
 

 肝臓を痛めて内科入院を何回かするも、「アルコールを止めるように」と医師から言われた事はありませんでした。入会当初はアルコール依存症という病気を深く理解しようもしない、心身共に病んでいる私が居ました。「家族も病んでいますよ」と会の奥様方に言われても、まったく聞く耳を持ちませんでした。そんな私に変化が起きたのは、ある勉強会で、自分の生育に関心のある疑問を投げかけられた事でした。
 私の父はアルコール依存症と診断されるところまでいっていなくても、決して良いお酒の飲み方ではありませんでした。ですから勉強会でアルコール依存症という病気を学んでいくうちに、私もアルコールに無縁でない家庭に育ち、いろいろな障害を受けて育っていたことに気付かされました。子供の頃から今まで自分の中でしっくりしていなかった疑問が解けていくのにそう時間はかかりませんでした。
 娘との関わり方にもやはりうなずけました。愛(いと)おしいのだけれど、うまく会話ができない。抱いてやることもできない等々…。
 この頃になると、主人のことよりも自分の心の回復の必要性がいかに大切かと言う事を教えられました。ノートに書き留めたことを少し書き出してみます。

家族が回復していくと…


●かってなかった新しい自分の人生を持つことができる
●自分の人生をあの人のために犠牲にしない
●過去のシナリオ(子供の頃)が今の自分を支配しない
●自分の意見、感情を適切な表現で相手に伝えることができる

 まだまだ書き足りませんが、断酒生活には終わりがありません。私自身の成長のためにも、主人と例会回りを継続していきたいと願っています。会の皆様の暖かい心遣いにいつも感謝しています。
 これから先もご指導宜しくお願い致します。

(この文章は『こぶし』平成25年11月号に掲載されました)

©️ AZUMA, Hideo  2013

©️ NPO法人 練馬断酒会